今日は,相続に関する研修に参加しました。
今日の研修のテーマの一つとして遺言がありました。
遺言は,被相続人の想いを相続に反映させることができる重要な手段だと思います。
遺言を適切に残すことで,遺族間の相続をめぐる争いを防止できる可能性が高まる
と思います。
ただ,遺言の残し方を誤ると,かえって遺産を巡る争いを誘発させ,又は激化させる
ようにも感じます。
たとえば,自筆証書遺言の様式を守らない無効な遺言が残された場合,故人の意思
を尊重するべきとする遺族と法定相続分を前提に遺産分割協議をするべきとする遺族
との対立が生じるようなケースが挙げられます。
遺言の作成に関するアドバイスなどは,様々なところで行われていますが,その方法
も様々ですので,どこでアドバイスを受けるか,どのようなアドバイスを受けるかという
点には注意が必要です。
たとえば,基本的には代書しかせず,内容に関するアドバイスは無効とならないか
どうかという観点からしかアドバイスをしないこともあり得ます。
それでも十分な場合もありますが,自らの想いを法的に適切な内容にすることは案外
難しく,適切なアドバイスを受けなければ思っていたものと違ったものができあがって
しまうという危険性もあります。
また,弁護士などの専門家のアドバイスを受けずに遺言を作成される方もいらっしゃ
いますが,要件を充足しない無効な遺言が作成される可能性もあります。
一部にエンディングノートと遺言の違いを認識してもいない方もいるようです。
遺言については,自筆証書による遺言の要件が緩和されるなどしており,遺言を
意識される方も多くなっているとききます。
適切な遺言が作成されることで,遺族間の相続をめぐる争いが少しでも少なくなれば
いいと思います。