月別アーカイブ: 2022年 5月

事件記録の謄写

裁判記録が欲しい場合、裁判所で閲覧謄写をすることが考えられます。

裁判所が近い場合や別件でその裁判所に行く機会がある場合であれば、

比較的閲覧謄写はしやすくはあります。

ただ、必ずしもそのような場合ではないこともあります。

 

そのような場合、弁護士は、第三者に事件記録の謄写を依頼すること

があります。

その一つの方法として、司法協会に依頼することがあります。

司法協会は、東京地方、高等、簡易裁判所内庁舎内に複写事業部があ

り、各地の裁判所庁舎内に出張所が設置されています。

 

一部についてはさらに出張所から出張して対応できるところもありま

す。

 

司法協会に謄写を依頼する場合、委任状を作成して司法協会に送りま

す。

委任状の書式は、司法協会のホームページからダウンロードできます。

書式に加えて委任状の記入例もダウンロードできるようになっていま

す。

必要事項を記入した委任状を司法協会に送ると、司法協会の担当者が

事件記録の謄写を行い、事務所に郵送してくれます。

 

委任状を送付するだけで足りる場合もありますが、事前に裁判所に閲

覧謄写申請をしておく必要がある場合もあります。

どのような資料の謄写を申請するかによっても異なりますので、事前

に確認しておくと安心です。

 

司法協会以外にも閲覧謄写に対応する業者はありますので、その時々

によって依頼する先は変わります。

被疑者国選勾留前援助

刑事事件で逮捕拘留された被疑者に早期のアドバイス等を行うための

制度として、当番弁護士制度というものがあります。

当番弁護士は、被疑者に面会に行き、話を聞いたうえでアドバイスを

行います。

これ自体は、無料の制度となっており、被疑者が費用を負担する必要

はありません。

 

逮捕拘留された被疑者がその後勾留されると、被疑者国選弁護の対象

となり、国選弁護人による弁護が受けられるようになります。

ただ、あくまでも国選弁護人による弁護が受けられるのは勾留された

後であり、その前の逮捕拘留段階では国選弁護人による弁護は受けら

れません。

 

当番弁護と被疑者国選弁護の隙間を埋めるための制度として、被疑者

国選勾留前援助という制度があります。

これは、日本弁護士連合会による委託援助の一つです。

本来弁護士を依頼する場合には弁護士費用を支払わなければなりませ

んが、資力に乏しいため弁護士を依頼できない方のために、弁護士費

用等の援助をする制度です。

援助であるため、費用負担が生じるのが原則であると思われ、実際に

援助については負担を求められることがあるとされていますが、この

制度を利用されて私が対応した方で、費用負担を求められた方はいな

いはずです。

 

実質的には無償で弁護士を依頼できる制度といってもよいかもしれま

せんので、利用できる方はできる限り利用されるとよいと思います。

転居許可

破産の手続きの過程で、引越しが必要となることがあります。

 

破産の手続きの進捗状況によっては、勝手に引越しをすると問題となります ので、

破産を予定している方で転居もお考えの方は、弁護士等に相談された 方が安心です。

 

まず、破産の申立前の準備中については、原則として転居しても問題はあり ません。

ただ、弁護士に依頼して破産の申立準備中である場合、あまりに遠方に引っ 越して

しまうと、弁護士が対応できずに委任契約を解除されてしまう可能性 があります。

また、あまりに高額の引越費用を支出してしまうと、それ自体が浪費等と指摘され

かねませんので、引越にかける費用にも注意が必要です。

 

次に、申立後については、管財事件の場合、原則として裁判所の許可が必要 です。

ですので、引越前に裁判所に転居先等を伝えて許可を求めます。

裁判所の許可を得たうえで引っ越しをしますが、引越後に転居先での住民票を取得

し、裁判所に提出するよう求められることがあります。

ただし、転居が免責許可決定後になった場合に、住民票の提出は不要とされたケー

スもあります。

 

さらに、免責許可確定後に引越をする場合も考えられます。

この場合、破産の手続きは終了しておりますので、転居の許可も住民票の提出も

不要です。

 

いずれにしても、破産する場合で転居を予定している場合には、弁護士等に相談

されるのがよいと思います。