ようこそ、弁護士 石井 浩一のブログへ

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2023年

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

2023年になりました。

まだまだコロナも落ち着かず、不安な日々を過ごされている方も多いかと思います。

今年はコロナが落ち着くなどしてよい年になるように願っていますが、あまり楽観視できる状況ではないように思います。

 

昨年からすでに企業の倒産、個人の法的整理案件は相当に増えてきているように感じられました。

実際事務所で受けている相談の件数も増加傾向にあったようです。

ただ、聞くところによると、今年はさらに増加する見通しだとのことですのでより債務整理の相談は増えるものと思います。

 

世界的にも今年は低調な見通しとなっており、OECDによれば、主要国の経済成長は、マイナスかわずかにプラスとなっており厳しめな見通しとなっています。

日本だけでなく、他の国でも景気は良くない見込みといってよいと思います。

弁護士の仕事としては債務整理が増える見込みであることから、経営が立ち行かなくなる可能性は低いものと思われますが、それ以外の業務は減少するかもしれません。

 

企業倒産が増え不景気になることが見込まれるにもかかわらず、物価はかなり上昇しており、様々な物が値上がりしています。

コロナの収束もなかなか見通せない状況ですし、楽観視はできない状況ですが、なんとか乗り越えていきたいですね。

税制改正大綱

今日、令和5年度税制改正大綱が発表されました。

税制改正大綱そのものが何らかの効力を及ぼすものではありませんが、今後、これに沿った法案等が成立することが見込まれます。

課税対象となる人は、税制改正大綱の内容を踏まえたうえで、対応をしなければならなくなる可能性があります。

 

既に報道等もされているため、ご存知の方も多いかと思いますが、今回の税制改正大綱では、NISAについての変更が盛り込まれています。

これまで120万円であった年間の投資可能額が、年間360万円と3倍の増額されています。

非課税限度額も、これまでの800万円から1800万円と2倍以上に増額されています。

これにより、貯蓄から投資へという流れを作りたいという意向のようです。

日本人の家計の金融資産のうち、いわゆるタンス預金にあたる現金は、2022年3月末時点で105兆円あり、日本国全体でみると投資余力は相当にあるといえます。

 

また、相続税については、これまで相続開始前3年以内に行われた生前贈与について、相続税の課税価格に加算されていたものが、相続開始前7年以内に伸長されています。

この改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続税について適用するとされていますので、今すぐに影響が出るわけではありません。

ただ、今後生前贈与を考えている方は、生前贈与の時期について、検討する必要があるかもしれません。

 

いずれも弁護士の仕事に直接影響が出るものではありませんが、相続税に関する改正は、今後の遺産分割や遺言作成等において考慮される可能性があるものであり、弁護士の仕事にも一定の影響が出る可能性があります。

税制改正は、弁護士としても把握しておいた方がよいように思います。

家賃保証会社の契約条項

最高裁判所で家賃保証会社の契約書の使用差し止めが命じられました。

 

ざっくりとした内容としては2点挙げられます。

1点目は、契約をしてはならないというもの、2点目は契約書用紙の破棄です。

消費者契約法に違反するとされたのは、①支払を怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3か月分以上に達したときは、無催告にて原契約を解除することができるものとするというもの、②賃料等の支払を2か月以上怠り、保証会社が合理的な手段を尽くしても賃借人と連絡がとれない状況の下、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から本件建物を相当期間利用していないものと認められ、かつ本件建物を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときは、賃借人が明示的に異議を述べない限り、これをもって本件建物の明渡しがあったものとみなすことができるとするものです。

いずれも、消費者である賃借人と事業者である 被上告人の各利益の間に看過し得ない不均衡をもたらし、当事者間の衡平を害する ものであるから、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるという べきであるとされています。

 

解除に際しては、原則として、催告が必要であり、無催告で解除できる場合は限定的に考えられるべきです。

特に住居は、生活の基盤となる賃借人にとって非常に重要なものであり、これを奪う解除は、相当に慎重に行われるべきといえます。

①の無催告解除は、賃料等及び変動費の滞納が3か月分以上に達したことだけで、賃借人の生活基盤である住居を無催告で奪うものであり、賃借人に酷であるといえます。

また、②については、実質的な自力救済を認めるものであることや、内容が一義的でないこと、賃借人の不利益回避手段が十分でないことなどから、賃借人に酷であるといえます。

 

保障会社としては、裁判手続きを利用するなどもできますし、必ずしも今回問題となった条項を利用しなくても一定の保護は図られます。

そうである以上、賃借人に大きな不利益を与えてまで保証会社に強い権限を認める必要性はないという考え方は十分にありうると思います。

新幹線オフィス車両

今日は、遠方で労働審判があったため、久しぶりに仕事で新幹線を利用しました。

コロナが発生して以降、裁判がWEB会議が多くなり、あまり裁判所に行く機会もなくなっていましたので、本当にいつぶりだろうかという感じです。

 

今日まで知らなかったのですが、新幹線では、オフィス車両というものが導入されているようです。

オフィス車両では、座席で電話もしてよいとされていますし、WEB会議も行ってよいようです。

仕事をしやすくするためのツールの貸し出しもあるようですし、移動の多い方にとっては、移動時間を有効活用でき、かなりいいものなのではないかと思います。

たまたま、今日は、東京方面に向かう際、オフィス車両に乗ることになり、初めてオフィス車両を利用しました。

オフィス車両の座席はかなり空いていて、乗っている人もまばらな状態でした。

電話している人もおり、比較的気軽に電話やWEB会議などが行えるなと感じました。

実際、私も社内で仕事をしてみましたが、他の人にあまり気を遣わなくてよく、かなりよいなと思いました。

 

このオフィス車両は、8号車限定で、追加料金は不要のようです。

予約時に8号車を選択することで使えるようですので、機会があれば、また利用したいなと思いました。

 

 

東京地裁破産再生部の移転

東京地裁の破産再生部が今月移転します。

破産再生部である民事20部は、現時点では霞が関にあります。

霞が関には、地裁・高裁が主に入っている庁舎と簡裁・家裁が主に入っている庁舎があり、そのうち民事20部は簡裁・家裁が主に入っている庁舎に入っています。

そこから、中目黒に新設されたビジネス・コートに移転します。

具体的な移転時期は、10月24日とされています。

申立日によって申し立てる先の庁舎が異なるため、注意が必要です。

 

少し前から任意整理案件よりも破産・再生の案件の相談が増えている印象です。

他の事務所でも同様の傾向が生じているかはわかりませんが、同じような状況であれば全体の申立件数は増えるはずです。

そのため、中目黒への移転は、思ったよりも多くの人に影響を与えるのではないかと思っています。

 

弁護士法人心の東京事務所からだと、裁判所までの距離がやや遠くなるため移動時間が増えそうです。

そのため、若干業務負担が増えそうな印象です。

東京地裁の場合、申立後3日以内に実施される即日面接がありますので、それが現在の電話ではなく対面になるとより負担が増えそうです。

 

ビジネス・コートには商事部や知財部もあり、デジタル化が推進されるようです。

破産・再生事件についてもデジタル化が進むと業務効率がだいぶ上がるような気がしますので、破産・再生事件についてもデジタル化が推進されるとよいなと期待しています。

うつ病による労災申請

精神障害での労災申請の相談を受けることもあります。

精神障害はその発病が仕事による強いストレスによるものと判断できる場合に労災

認定されます。

 

精神障害での労災認定の要件は、①認定基準の対象となる精神障害を発病している

こと、②認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、業務によ

る強い心理的負荷が認められること、③業務以外の心理的負荷や個体側要因により

発病したとは認められないこととされています。

そうしますと、仮に仕事によるストレスが強かったとしても、仕事以外でのストレ

スも強い場合やもともと精神症状を抱えていた場合などは労災認定されない可能性

があることになります。

 

心理的負荷の程度は、心理的負荷評価表に従って判断され、そこで心理的負荷の程

度が「強」に該当するとされると、業務による強い心理的負荷が認められることに

なります。

うつ病により労災が認定されるものの一つには、長期間にわたる長時間労働があり

ますが、発病直前3週間でおおむね120時間以上の残業をした場合や、発病直前

3か月間連続して1か月あたりおおむね100時間以上の残業をした場合などは、

心理的負荷の程度が「強」と判断されます。

もちろん、他の要件もありますので、上記の長時間労働があれば必ず労災認定さ

れるわけでもありませんし、上記の時間に満たない場合が全て労災認定されない

わけでもありません。

 

精神障害での労災認定を検討されている方は、弁護士に要件を充たすかどうか等

を相談してみるとよいと思います。

 

 

夏休み

今日から8月ですね。

かなり暑い日が続いていましたので、やっと8月に入ったのか、という感

じもします。

東京でも、熱中症警戒アラートが出ているようですので、注意が必要です。

 

8月は、裁判所や各弁護士事務所も夏休みに入るので、やや案件の進みが

止まりがちです。

だいたい弁護士事務所はお盆期間中に休みになるところが多いですが、各

弁護士はそれとは別に休みをとっていたりするので、お盆期間中ではない

時期に対応が止まることもあります。

裁判所は、交代で休みに入りますので、休みの時期は、お盆期間中とは限

りません。

 

裁判所や弁護士事務所だけでなく、各会社、各組織で夏休みに入る人が出

ます。

会社や組織で全員休みになるところもあると思いますが、交代で休みをと

るところもあると思います。

保険会社については、交代で夏休みをとっているので、保険会社自体が休

みになることは今のところなさそうです。

役所も交代で夏休みをとるようですので、中央年金事務所も、中央区役所

も組織全体が休みに入るということはなさそうです。

 

関係者の夏休みの状況を把握しておくと、予想外のトラブルも回避しやす

いと思います。

特に急ぎの件については、関係者の夏休みも踏まえながら対応していくと

安心かもしれません。

証拠の同意不同意

弁護士の仕事の一つとして刑事事件があります。

刑事事件の公判では、証拠に基づき裁判が行われています。

一般的にはあまり意識されていないかもしれませんが、公判に提出できる証拠は限

定されており、何でもよいわけではありません。

 

刑事訴訟法320条1項では、「第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場

合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外に

おける他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」とされてい

ます。

原則論として、公判における供述が証拠となるのであって、書証は証拠とすること

ができないということです。

例外規定の一つとして、刑事訴訟法326条1項は、「検察官及び被告人が証拠と

することに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの

情況を考慮し相当と認めるときに限り、第三百二十一条乃至前条の規定にかかわら

ず、これを証拠とすることができる。」とされています。

この規定があるために検察官と弁護人双方が同意した書証については、公判に証拠

として提出できることとなります。

書証をすべて排斥し、公判廷における供述のみを証拠として公判を行おうとすると、

相当な時間がかかってしまいますし、内容によっては非常にわかりにくくなってし

まいます。

その弊害をさけるため、実際には、公判に提出される証拠の多くは書証となってい

ます。

 

実際の公判手続きにおいては、通常、第1回公判期日前に検察側、弁護側双方が提

出予定証拠を開示し、同意不同意の確認をします。

公判を傍聴したことがある人は聞いたことがあるかもしれませんが、裁判官が証拠

についての意見を双方に聞いていますので、厳密には公判廷において最終的な同意

不同意の確認が行われますが、事前に回答内容は決まっており双方それを前提に準

備をしています。

同意された書証は、同意証拠として公判に提出します。

不同意とされた証拠は、撤回して人証に代えることもありますし、刑事訴訟法の他

の規定を基にして書証として提出することもあります。

 

証拠に対する同意不同意の状況次第で、公判手続きの進め方が変わります。

遺産分割と弁護士

遺産分割事件は、弁護士が関与する事件のうち比較的件数の多いものだと思います。

ただ、相続事件は、しっかりと対応しようとするとかなり難しいものだと思います。

その理由は、遺産分割においては、税金のことと登記のことを考慮しなければなら

ない場合があるからです。

 

本来であれば適用されたはずの特例が適用されない分割合意をしてしまったり、登

記申請ができない分割合意をしてしまったりというケースが見られます。

 

そもそも多くの弁護士は、法的な紛争を解決することについては得意としています

が、税金や登記については門外漢であり、あまり詳しくないように思います。

そのため、税金や登記については考慮せず、多くの場合、税金のことは税理士さん

に、登記のことは司法書士さんに聞いてくださいなどとアドバイスしているように

見えます。

それ自体は悪いことではありませんが、弁護士、税理士、司法書士にそれぞれ相談

するというのはかなり負担になると思います。

 

法律、税務、登記に詳しい弁護士に相談することができれば、それらの相談を一度

にできてしまうので、相談者の負担はかなり軽減されると思います。

また、情報共有が不十分であるなどしていずれかがうまくいかなくなるという事態

も少なくなると思います。

 

法律、税務、登記に詳しい弁護士、又は税理士、司法書士と緊密に連携できている

弁護士に相談することのメリットを多くの方に知ってもらえるといいなと思います。

 

 

管財事件と訴訟の受継

破産手続きの申し立てをする際に、すでに訴訟中の債権者がいる場合があります。

そのような場合、破産の申立準備中は、申立代理人弁護士が訴訟について対応するこ

とが想定されます。

実際に、申立代理人として申立準備中に訴訟対応をすることもあります。

 

多くの場合には、破産手続申立を行い、開始決定を受けたうえで、その旨を明らかに

すれば、訴訟は取り下げられて終了することが多いと感じます。

勝訴してもお金の支払いを受けられる可能性がなく、そこに時間や費用や労力をかけ

てもすべて無駄になってしまうからではないかと思います。

 

ただ、配当が発生するようなケースでは、訴訟が取り下げられることなく継続される

ことがあります。

請求されている債権に特に異議がない場合には、それを前提に配当がなされますが、

異議が出された場合には、破産管財人が訴訟を受継します。

ただ、当然に受継されるわけではなく、そのための手続がとられた場合に限られます。

 

管財人が受継した訴訟で請求されていた債権は、判決により請求が認容された場合や

管財人との間で請求を認める内容での和解が成立した場合、その額を前提に按分比例

による配当が行われます。