ようこそ、弁護士 石井 浩一のブログへ

日々思ったこと、皆様のお役にたてる情報などを書いていきたいと思います。
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東京都知事選挙

今日から東京都知事選挙の告示が始まりました。

 

投票する権利は18歳以上、立候補する権利は30歳以上の人で、その他の要件を満たす人に認められます。

 

なお、一般にどの程度知られているかはわかりませんが、選挙権は、憲法15条により保障された国民の権利です。

憲法15条1項は、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」としています。

同3項は、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」としています。

憲法上の権利ですので、選挙権は、とても重要な権利であるといえます。

 

以前は、成年者とは20歳以上の者をさしていましたが、今は、18歳以上の者をさします。

法律の改正により、成年年齢が引き下げられ、選挙権を持つ人の数は、増加しており、より広く国民の意思が選挙結果に反映されるようになっています。

 

ただ、投票率は、あまり高くなく、令和2年の選挙では、55%程度であったようです。

重要な権利であるにもかかわらず、半分程度の人しか権利行使しておらず、一部の人の意思だけが選挙結果に反映されているともいえます。

より多くの方が、選挙権を行使し、その意思が選挙結果に反映されるようになるとよいかなと思います。

 

なお、選挙の投票日は7月7日です。

 

 

ジョブ型雇用

こんにちは。弁護士の石井です。
先日、最高裁でジョブ型雇用についての配置転換に関する判決が出されました。

 

これまでの日本社会では、いわゆるメンバーシップ型と呼ばれる働き方が主流でした。

メンバーシップ型の場合、会社側には幅広い配置転換の権利が認められてきた(裏を返せばできる限り雇用確保を図るため配置転換をする義務が課されてきた)といえます。

そのため、配置転換については、会社側に幅広く裁量が認められ、ほとんどの場合配置転換が適法とされてきました。

 

近年では、ジョブ型雇用と呼ばれる雇用形態が増えてきたようですが、必ずしも厳格には運用されてきておらず、会社の配置転換に関する考え方は、従来とさほど変わっていないようです。

そのため、ジョブ型雇用でも配置転換が比較的緩やかに行われているように思います。

 

これに対し、今回の最高裁判例を前提とすれば、ジョブ型雇用の場合、会社側には配置転換の権利が必ずしもあるわけではないので、会社側が配置転換をする場合には、それが適法であるかどうかをこれまでよりも慎重に判断すべきということになりそうです。

さらにいえば、雇用契約を締結する際に、労働者側、会社側共に、配置転換の権利の範囲を明確にしておく必要があると思います。

 

最高裁判所の判断は、原則論に立ち返った当然の判決と言えると思いますが、これまでの実務感覚とは沿わないところがあると思うので、労働者側、会社側共に、意識を変える必要があるように思います。

 

 

フランチャイズ

セブンイレブンの店舗オーナーが時短営業を始めたあとに、本部からフランチャイズ契約を解除されたことなどをめぐる裁判が、最高裁で上告棄却となったようです。

 

この裁判のニュースを見ている方の中には、時短営業を認めないことが正当化されたと勘違いしている方もいるかもしれませんが、セブンイレブン側は、時短営業ではなく、お客様からの苦情の多さ等を問題として契約を解除しているため、時短営業を認めないことの是非について結論を出したものではないようです。

 

ところで、コンビニに限らず、フランチャイズ契約は、色々なところで利用されています。

フランチャイズというと、本部に搾取されるというイメージを持っている人も一定数いるようですが、本来は、独力では得難い情報、ノウハウを利用させる、利用できる契約であり、有益なものといえます。

もちろん、有益かどうかは、人により異なるはずですので、フランチャイズ契約を締結する際には、その契約が自分にとって本当に有益か、慎重に検討するべきです。

その点を間違えてしまうと、こんなはずじゃなかった、となり、大きな損失を抱えてフランチャイズ契約を解約しなければならない、ということになりかねません。

フランチャイズ契約を締結する前に弁護士に相談し、自分の求めるものが実現できているか、どのような点にどのような問題がありうるのかを確認しておけば、フランチャイズ契約を解約せざるを得ないということは少なくなるはずです。

相続回復請求権と取得時効

あまりなじみのない論点ですが、相続回復請求権と取得時効の関係で最高裁判所で判決が出されました。

 

この件は、それほど問題になるケースは多くないと思われますが、最高裁判所の判例ですので、相続を担当する弁護士としては知っておいてよいものかなと思います。

 

この件は、ざっくりいえば、不動産を所有していた被相続人が、相続人である養子と、相続人ではない甥に平等に遺産を分与する内容の遺言を残していたところ、相続人である養子が遺言の存在に気付かず、その不動産を自分が単独で相続したものと考えて、所有の意思をもって10年以上占有したというものです。

主な論点は、相続回復請求権の消滅時効が完成する前に、遺産であった不動産の共有持分権を時効取得できるか、です。

 

最高裁判所は、昭和53年12月20日の最高裁大法廷判決を参照しつつ、民法884条が消滅時効を定めた趣旨について、「相続権の帰属及びこれに伴う法律関係を早期かつ終局的に確定させることにある」としました。

そのうえで、取得時効の要件を満たしたにもかかわらず相続回復請求権の消滅時効が完成していないことを理由に時効取得ができないとするのはこの趣旨に整合しないとし、「上記表見相続人は、真正相続人の有する相続回復請求権の消滅時効が完成する前であっても、当該真正相続人が相続した財産の所有権を時効により取得することができるものと解するのが相当」としています。

 

法的安定性を重視するのであれば、最高裁の結論は肯定できるように思いますが、被相続人の意思には明らかに反してしまっているという問題があるように思います。

遺言書を作成する理由は人それぞれですが、中には遺産の配分について自分の希望を入れたいという方や、家族、親族間での争いごとをなくしたいという方もいます。

今回の件は、そのいずれも実現できておらず、被相続人としては残念な気持ちでいるかもしれません。

 

遺言を作成する際に、遺言の内容だけでなく、その保管方法、自分が亡くなった後の対応方法なども考慮しておくべきだと思います。

公正証書遺言や自筆証書遺言保管制度もありますし、弁護士などの信頼できる第三者に預けておく方法もあると思います。

遺言書作成を考えている方は、いろいろ調べてみたり、相談してみたりするとよいと思います。

 

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92826

 

刑事事件

今年に入ってから、刑事事件の相談が増えているように感じます。

刑事事件の対応は、早期対応が肝心ですが、実際に相談に来られる時点では、ある程度捜査が進んでいる状況にあることも多いように思います。

 

警察に事件が発覚する前であれば、自首するかどうかを検討することができます。

自首するべき場合には、自首同行を行い、円滑に自首が行えるようサポートします。

自首に関する相談としては、自首するべきか迷っているという相談もありますが、自首したいが、どのように扱われるか心配だという相談もあります。

 

警察に事件が発覚しているが、取り調べはまだ行われていない場合には、黙秘するかどうかを検討することができます。

どうしても、記憶があいまいであったり、覚えていなかったりする場合、間違ったことを言わないようにするためなどの理由から、多くの場合、黙秘することを進める弁護士が多いと思いますし、それが適切な場合が多いと思います。

ただ、黙秘し続けることは、想定以上に難しく、つい喋ってしまうという話はよく聞きます。

黙秘し続けられそうにない場合には、黙秘しないという選択もあり得ます。

 

捜査がある程度進んでおり、取り調べも行われて調書も作成されている、という段階での相談もあります。

その場合には、再犯防止の観点から、どのようなことができるか、という検討をすることが多いです。

この点について意識されている方は、思った以上に少ないという印象です。

どういったことができそうか、どなたに協力を得られそうか等の観点から対応を検討し、再犯防止のための努力をしていきます。

 

刑事事件において、弁護士ができる活動は、さまざまあり、上記以外の対応をとることもあります。

どういう対応をとるべきかは、個別事情に応じて変わりますので、弁護士に相談して検討するのが良いと思います。

 

2024年

2024年になりました。

今年も1年頑張りたいと思います。

 

毎年1月は、確定申告の準備をしています。

年が明けないと1年分の通帳の履歴等が取得できないので、毎年1月に準備をしています。

確定申告のために必要な書類はたくさんあるので、なかなか簡単ではありません

弁護士の多くは、毎年確定申告をしていると思いますので、同じようなことを考えている弁護士も多いと思います。

 

事務所では、昨年末から新たに弁護士が加入しましたので、年明けから相続の研修を実施しています。

 

家庭裁判所の調停員経験者の弁護士ら、相続の経験豊富な弁護士が多数在籍しているので、そのような弁護士が講師となって所内で研修を実施しています。

これにより、新しく入所した弁護士は、相続の新たな知識等を得ることができ、すでに在籍している弁護士は、知識等の定着を図ることができます。

 

1月10日には、船橋に事務所が新規開設されました。

船橋近辺の方には、事務所にお越しいただきやすくなると思います。

 

研修等で個々の弁護士のスキルを上げ、よりよい法的サービスが提供できるようにしつつ、事務所を増やすことでより多くの方に利用していただきやすくしています。

今後も、よりよい法的サービスの提供、より多くの方への法的サービスの提供ができるよう、頑張っていきたいと思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

大麻使用罪

大麻は、法律により所持等が禁止されている薬物の一つです。

これまで、大麻については、所持罪は規定されているものの使用罪がありませんでした。

その理由として、麻が比較的身近にあり、

その意味では、やや特殊な位置づけの薬物であるといえます。

 

今回、大麻を規制する大麻取締法改正案が可決され、大麻使用罪が新設されました。

施行はまだですので、現時点では、大麻使用罪で捕まることはありませんが、施行後は大麻使用罪で捕まることがあります。

改正の理由の一つには、若年層での大麻使用の広がりがあるようです。

弁護士活動の実体験としても、大麻の事件は多く、青少年の大麻がらみの事件も少なくない印象です。

この法改正により、大麻使用が少なくなり、青少年の保護につながればよいなと思いますが、他の薬物の使用状況や大麻の使用自体は既に規制されていることを踏まえると、大麻使用罪を新設するだけではなかなか難しいかもしれないなと思います。

法規制だけではなく、青少年が大麻含めた薬物に触れる環境をできる限り少なくする、薬物を使用してしまった人が、再度薬物を使用することがないように支援すること等も必要だという意見もききます。

それでも、今回の法改正が、青少年の保護に少しでもつながればよいと思います。

交通事故件数

もう11月も後半に入り、もうすぐ年末です。

年末には交通事故件数が例年増加しています。

もうすぐ忘年会シーズンでもあり、事故に遭わないように気を付けて過ごさないといけないなと思います。

 

10月末時点での東京都内の交通事故件数は、昨年よりも増加傾向にあるようです。

警視庁の発表によれば、今年の交通事故発生件数は、累計で2万5701件のようです。

死者数は、累計で103名であり、昨年よりも減少していますが、交通事故発生件数と負傷者数は昨年よりも増加したようです。

 

月別負傷者数は、ほとんどすべての月で昨年を上回っており、特に10月は増加数が大きいです。

10月に特に大きく増えている原因は不明ですが、多くの方に気を付けていただきたいです。

 

死者数については、高齢者の方が多く、特に歩行中の高齢者の方の死亡事故が多いようです。

歩行中の死亡事故は、全体でも39件と約4割を占めていますので、歩行中に気を付けるだけでも、事故に遭う確率は相当に下げられるのではないかと思います。

 

歩行中の次に多いのは二輪車運転中の事故です。

二輪車は速度が出る割に身体の防御が薄く、負傷しやすいのかもしれません。

 

死亡事故が減っているのは良いことだと思いますので、事故発生件数や負傷者数も減少するとよいと思います。

インボイス制度

10月からインボイス制度が始まりました。

インボイスとは、事業者間でやり取りされる消費税額等が記載された請求書や領収書等のこととされています。

事業者にとって必要なものであり、一般の消費者には必要性は必ずしもないものです。

 

インボイスそのものの相談は、税務の問題であり、税理士さんの業務範囲ですので、弁護士が相談を受けることはあまりないと思われます。

ただ、弁護士も、事業者としての性質を有するため、インボイス制度と無関係ではありません。

また、インボイス制度に伴う紛争については、弁護士の業務分野にもなりえます。

例えば、インボイスに伴う下請法違反などです。

インボイス制度の開始により、インボイス発行事業者でない業者との取引を打ち切ったり、消費税分の減額を求めたりすると、違法となることがあります。

違法な対応を取らないように注意が必要です。

 

インボイス制度については、10月1日付の政府広報オンラインで、詳しく説明されています。

これを読むと、インボイス制度についてある程度理解できるのではないかと思います。

インボイス制度についてしっかりと理解し、適切な対応が取れるようにしておくとよいと思います。

場合によっては、弁護士に相談することも必要かもしれません。

 

 

 

 

 

解雇理由証明書

従業員を解雇した場合、従業員の求めがあれば、解雇理由証明書を交付しなければなりません。

これは、労基法22条1項に定められた会社の義務です。

 

労基法22条1項は、労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。としています。

これに反して、解雇理由証明書を交付しなかった場合、労基法120条1号により、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

解雇理由証明書を交付したとしても、「遅滞なく」交付しなかった場合には、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

この「遅滞なく」とは、事情の許す限りできるだけ早く、というニュアンスで使用されます。

そのため、合理的な理由があれば、遅れも許されるものと考えられます。

ただ、合理的な理由と認められるかの判断は難しく、その判断を誤ると、罰金刑を科されるリスクがあります。

業種によっては、罰金刑を科されることで、各種許可等を取り消される可能性があります。

万が一許可を取り消されると、経営上、相当な影響が出る可能性がありますので、従業員から解雇理由証明書の発行を求められた場合には、できる限り早急に対応するべきでしょう。