うつ病での障害年金受給

うつ病での障害年金申請の相談が増えているように感じます。

 

うつ病でも障害年金はもらえますか、という相談を受けることがあります。

これに対する回答は、もらえる可能性がある、です。

 

うつ病による障害年金の申請は認定される可能性がありますが、認定される

かどうかは、症状の内容や程度により変わります。

症状が軽度であり、日常生活にも仕事にも支障がないようなケースであれば、

障害年金の認定がされる可能性はないといってよいと思います。

これに対し、仕事上の支障が生じるようなケースや日常生活上の支障が生じ

るケースであれば、認定可能性はあるといえます。

 

ときどき、仕事をしているので、障害年金はもらえませんよね、という相談

を受けることもあります。

このような誤解をされている方は少なくないようですが、仕事をしているか

らといって直ちに障害年金がもらえなくなるわけではありません。

うつ病の症状により、仕事上の支障が生じているが、周囲のサポートや職場

の配慮等によって仕事ができている、という場合もあります。

仕事上の支障が見えにくくなっているだけで実際には支障が生じているとい

えるケースもありますので、仕事をしているからといって直ちに年金がもら

えなくなるわけではないのです。

 

具体的なところは個別事情によって変わりますので、うつ病で障害年金の申

請を考えている方は、弁護士等に相談していただくとよいと思います。

 

 

事件記録の謄写

裁判記録が欲しい場合、裁判所で閲覧謄写をすることが考えられます。

裁判所が近い場合や別件でその裁判所に行く機会がある場合であれば、

比較的閲覧謄写はしやすくはあります。

ただ、必ずしもそのような場合ではないこともあります。

 

そのような場合、弁護士は、第三者に事件記録の謄写を依頼すること

があります。

その一つの方法として、司法協会に依頼することがあります。

司法協会は、東京地方、高等、簡易裁判所内庁舎内に複写事業部があ

り、各地の裁判所庁舎内に出張所が設置されています。

 

一部についてはさらに出張所から出張して対応できるところもありま

す。

 

司法協会に謄写を依頼する場合、委任状を作成して司法協会に送りま

す。

委任状の書式は、司法協会のホームページからダウンロードできます。

書式に加えて委任状の記入例もダウンロードできるようになっていま

す。

必要事項を記入した委任状を司法協会に送ると、司法協会の担当者が

事件記録の謄写を行い、事務所に郵送してくれます。

 

委任状を送付するだけで足りる場合もありますが、事前に裁判所に閲

覧謄写申請をしておく必要がある場合もあります。

どのような資料の謄写を申請するかによっても異なりますので、事前

に確認しておくと安心です。

 

司法協会以外にも閲覧謄写に対応する業者はありますので、その時々

によって依頼する先は変わります。

被疑者国選勾留前援助

刑事事件で逮捕拘留された被疑者に早期のアドバイス等を行うための

制度として、当番弁護士制度というものがあります。

当番弁護士は、被疑者に面会に行き、話を聞いたうえでアドバイスを

行います。

これ自体は、無料の制度となっており、被疑者が費用を負担する必要

はありません。

 

逮捕拘留された被疑者がその後勾留されると、被疑者国選弁護の対象

となり、国選弁護人による弁護が受けられるようになります。

ただ、あくまでも国選弁護人による弁護が受けられるのは勾留された

後であり、その前の逮捕拘留段階では国選弁護人による弁護は受けら

れません。

 

当番弁護と被疑者国選弁護の隙間を埋めるための制度として、被疑者

国選勾留前援助という制度があります。

これは、日本弁護士連合会による委託援助の一つです。

本来弁護士を依頼する場合には弁護士費用を支払わなければなりませ

んが、資力に乏しいため弁護士を依頼できない方のために、弁護士費

用等の援助をする制度です。

援助であるため、費用負担が生じるのが原則であると思われ、実際に

援助については負担を求められることがあるとされていますが、この

制度を利用されて私が対応した方で、費用負担を求められた方はいな

いはずです。

 

実質的には無償で弁護士を依頼できる制度といってもよいかもしれま

せんので、利用できる方はできる限り利用されるとよいと思います。

転居許可

破産の手続きの過程で、引越しが必要となることがあります。

 

破産の手続きの進捗状況によっては、勝手に引越しをすると問題となります ので、

破産を予定している方で転居もお考えの方は、弁護士等に相談された 方が安心です。

 

まず、破産の申立前の準備中については、原則として転居しても問題はあり ません。

ただ、弁護士に依頼して破産の申立準備中である場合、あまりに遠方に引っ 越して

しまうと、弁護士が対応できずに委任契約を解除されてしまう可能性 があります。

また、あまりに高額の引越費用を支出してしまうと、それ自体が浪費等と指摘され

かねませんので、引越にかける費用にも注意が必要です。

 

次に、申立後については、管財事件の場合、原則として裁判所の許可が必要 です。

ですので、引越前に裁判所に転居先等を伝えて許可を求めます。

裁判所の許可を得たうえで引っ越しをしますが、引越後に転居先での住民票を取得

し、裁判所に提出するよう求められることがあります。

ただし、転居が免責許可決定後になった場合に、住民票の提出は不要とされたケー

スもあります。

 

さらに、免責許可確定後に引越をする場合も考えられます。

この場合、破産の手続きは終了しておりますので、転居の許可も住民票の提出も

不要です。

 

いずれにしても、破産する場合で転居を予定している場合には、弁護士等に相談

されるのがよいと思います。

改正銃刀法施行

先日仕事で東京都内の警察署に行った際、改正銃刀法が令和4年

3月15日から施行されたことが記載されたポスターを見ました。

 

改正銃刀法は、令和3年6月16日に公布され、令和4年3月1

5日から施行されています。

この改正により、クロスボウ(ボウガン)の所持が原則禁止され、

許可制となったようです。

クロスボウを使用した犯罪の発生を受けて、法律が改正されたよう

です。

多くの方にとっては、クロスボウの所持が原則禁止されていなかっ

たこと自体が驚きではないかと思います。

改正銃刀法が令和4年3月15日から施行されたことも知らなかっ

た方がほとんどではないかと思います。

 

令和4年3月15日午前0時までに所持していたクロスボウについ

ては、一定の猶予期間が設けられており、所持許可を申請する、廃

棄する、適法に所持できる方に譲渡するため、6か月の間は所持で

きるようです。

警察署で無償で処分してもらえるようですので、令和4年3月15

日午前0時時点で所持していた方は、警察に処分依頼をするとよい

かもしれません。

 

所持許可の申請は、令和4年3月15日から受付されているようで

す。

希望される方は、最寄りの警察署に相談に行かれるとよいと思いま

す。

 

改正銃刀法の施行により、犯罪が少しでも減って、皆が安心して暮

らせるとよいと思います。

 

 

成人年齢引き下げ

来月からいわゆる成人年齢の引き下げが行われます。

 

もともと、民法は、「年齢二十歳をもって、成年とする。」としていました。

この規定は長い間改訂されていませんでしたが、平成30年6月13日、民法の

一部を改正する法律(成年年齢関係)により改訂され、令和4年4月1日から施

行されることとされています。

 

成年年齢の引き下げにより、これまで未成年者として保護されていた年齢の人が

保護されなくなることがあります。

 

民法では、「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なけれ

ばならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、こ

の限りでない。」、「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。」

とされています。

そのため、20歳未満の人が行った法律行為は、取り消すことができ、自分に不

利な契約をしてしまった場合でも、保護されるケースが多くありました。

今後は、18歳、19歳でも成年として扱われるため、未成年者の法律行為とし

て取り消すことができず、保護されなくなるというケースが生じるようになると

考えられます。

 

また、個別法により成年年齢が修正されるケースもあります。

これまでは20歳に達しているかどうかで考えればよかったものが、個別法ごと

に成年年齢を確認しなければならなくなり、わかりづらくなったところもあると

思います。

 

それほど多くの人に影響が生じるわけではありませんが、今後、弁護士への相談

も増えてくることが想定されます。

その都度、問題となる成年年齢が何歳であるか、確認する必要が生じます。

簡易配当

破産手続きは、比較的多くの弁護士が関与した経験を持つ業務の一つ

です。

 

破産手続きの中の一つの手続として、簡易配当という手続があります。

簡易配当とは、最後配当ができる場合で一定の条件を充たす場合に、

破産管財人の申し立てを受けて裁判所の許可のもと最後配当に代えて

行われる配当です。

 

一定の条件は、「配当をすることができる金額が千万円に満たないと

認められるとき。」、「裁判所が、第三十二条第一項の規定により同

項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権

者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出

をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べ

なかったとき。」、「前二号に掲げるもののほか、相当と認められる

とき。」です。

 

簡易配当の許可がされると、届出をした破産債権者に対する配当見込

額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡

易配当をすることができる金額及び当該配当見込額が、届出をした破

産債権者に通知されます。

この通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したもの

とみなされます。

 

簡易配当は、手続が簡易であるため、迅速に配当できるというメリッ

トがあります。

配当金の総額が1000万円未満の場合には、原則として簡易配当が

行われるようです。

 

 

行為依存とその治療

先日、弁護士向けの、行為依存とその治療に関する研修を受講しました。

この研修は、刑事事件に関するものです。

 

刑事事件というと、無罪を争うことをイメージする人もいるかもしれま

せんが、多くの刑事事件は、やったことは認めており、それに対する刑

罰の重さを決めることが主として問題となっています。

 

行為依存とその治療は、有罪か無罪かを判断するような事件でも必要と

なるものといえます。

ただ、どちらかといえば、やったことは認めたうえで、刑罰の重さを決

める場面や、それを超えて、次に同じことをしないようにするためにど

うしたらよいかという場面で必要となるものだと思います。

 

行為依存の一つの例として窃盗症があります。

窃盗症は、個人用に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のため

でもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返され

てしまうものです。

この場合、本人を処罰しても結局物を盗もうとする衝動に抵抗できなく

なり、また窃盗を繰り返してしまうということがおこります。

そのような場合には、本人をいくら処罰しても効果がなく、むしろ、治

療を行うことで窃盗を繰り返してしまうことを防止できることがありま

す。

 

行為依存の治療方法にはいくつかの考え方があります。

うまく治療できて、窃盗を繰り返してしまうことが防止できれば、本人

のためにも社会のためにも有益だと思います。

 

書面による準備手続

民事訴訟の手続きの一つとして書面による準備手続きがあります。

通常、裁判においては、各当事者や代理人弁護士が実際に裁判所にいって

手続を行います。

ただ、すべての裁判において、必ず当事者や代理人弁護士が裁判所に行く

ことを必要としてしまうと、日程の調整が難しくなり、裁判がなかなか進

まなくなってしまうことがあります。

そのような場合に取りうる手段の一つとして書面による準備手続きがあり

ます。

書面による準備手続きは。当事者双方やその代理人がいずれも裁判所に行

かなくても実施できる手続ですので、日程の調整はかなりしやすくなりま

す。

書面による準備手続きでは、当事者が準備書面を提出すること等により、

争点を整理することができる手続きですが、準備書面を陳述することや

証拠を採用すること、証拠の取り調べをすること等はできないとされて

います。

そのため、そのようなことが必要な場合には取りづらい手続きであると

もいえます。

それでも、後日に正式な口頭弁論等を実施することで、そのような不都

合は事実上解消できるものと思われます。

 

これまでもあまり利用された経験のない手続きですし、WEBを利用し

た手続きの利用が拡大されると、利用する機会がさらに少なくなるよう

な印象を受けます。

 

ただ、このような手続きもあるということを知っておくとよいかもしれ

ません。

再度の執行猶予

以前に一度でも執行猶予を受けていると、再度執行猶予を受けることは

できないと誤解されているかががいるようです。

実際には、そのようなことはなく、以前に一度執行猶予を受けている方

でも執行猶予を受けることはできます。

 

再度執行猶予を受けることを再度の執行猶予ということがあります。

ここでも誤解されている方もいますが、以前に執行猶予を受けたことが

ある方が、再度執行猶予を受けることの全てを再度の執行猶予というわ

けではありません。

再度の執行猶予は、執行猶予中に罪を犯した者にもう一度執行猶予を与

える場合に使います。

 

再度の執行猶予が付される条件はかなり厳しいですが、認められないわ

けではありません。

これに対し、執行猶予期間を経過した後に再度罪を犯した人が執行猶予

を受けるのは、同じく厳しくはありますが、再度の執行猶予ほどの厳し

さではありません。

疾呼猶予の獲得を希望している方は、弁護士に相談されるとよいと思い

ます。

 

なお、前刑と同種の犯罪をしてしまい、再度の執行猶予を希望する場合

には、再犯防止措置をしっかりと考えるべきだと思います。

前刑の再犯防止措置と同じでは、再犯防止が図れない可能性が高いから

です。

前回の問題、失敗点を確認し、分析したうえで、どのようにしたら再犯

防止が図れるか、よく検討しないと、執行猶予が得られなかったり、得

られたとしても再度犯罪をしてしまい、意味がなくなってしまう可能性

があります。

弁護士とよく相談して検討するとよいと思います。