月別アーカイブ: 2023年 2月

給料ファクタリング

先日、給料ファクタリングに関する最高裁の判断が出されていました。

 

最高裁は、給料ファクタリングを貸金業法と出資法が定める貸付けに該当するとしました。

 

そもそもファクタリングは、金融庁によれば、債権買取サービスであり、資金調達の一手段であって、法的には、債権譲渡とされる契約とのことです。

通常は、企業の資金調達の一つの方法として使われるようです。

給与のファクタリングは、個人向けのファクタリングであり、給与債権を買い取って、買い取った債権を基に会社に対して給与の支払を求めるようです。

給与ファクタリングは、金融庁から貸付に該当するとの指摘を受けており、今回の最高裁の判断は金融庁が示した判断を追認するような位置づけになるかと思います。

 

給与ファクタリングは、いわゆる金銭消費貸借のようなシンプルなお金の貸し借りではないので、貸付には該当しないとして貸金業法の適用を受けないとして貸金業者以外でも実施しているところはあったようです。

給与ファクタリングの利用者は一定数存在することを考えれば、給与ファクタリング自体の必要性はあるのだと思います。

適切な形で実施されるようになればよいように思います。

なお、譲渡された債権について、雇用していた会社としては、どこに支払いをするべきか判断が難しいケースがあるかと思います。

支払先を間違えると再度同義務が生じますので、弁護士に相談するなどして慎重に判断する必要があるように思います。

2024年問題

2024年問題といわれる問題があります。

2024年問題とは、働き方改革関連法により2024年、つまり来年の4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働の上限規制により発生する様々な問題のことです。

 

2024年問題の中には、弁護士としてかかわる可能性のある問題も多数あります。

 

例えば、運送会社の中には、収益性の悪化により倒産するところが増えるのではないかといわれています。

多くの運送会社は、従業員の長時間労働により売上を確保していました。

長時間労働が規制されると、現状の人員で運べる荷物の量が減ってしまうため、売り上げが減少することが見込まれています。

売上の減少に伴い、利益も減少してしまうため、赤字になってしまい、倒産する可能性があるのです。

 

影響を受けるのは会社だけではありません。

個々の従業員についても、同様の懸念があります。

規制を超える時間就労していた従業員は、労働時間が減少する結果、収入が減少することが見込まれます。

収入が減少した結果、支出が収入を上回るようですと、家計が赤字になってしまい、借り入れ等が増えてしまう可能性があります。

支出が収入を大幅に上回るようですと、破産しなければならない可能性も出てきてしまいます。

 

2024年問題は、会社、個人ともに大きな影響を受ける可能性があるのです。