カテゴリー別アーカイブ: 債務整理

任意整理

弁護士の業務の1つに任意整理があります。

一般的な説明としては、今ある債務を総回数60回程度で分割して支払っていく手続きとしています。

この60回という数字は、単なる目安でしかなく、債権者ごとに、また債務者ごとに異なることがあります。

 

例えば、この業者は原則として60回の分割を認めているが、この業者は原則として36回しか認めていないということがあり得ます。

このことを意識しておかないと、60回分割であれば支払えるが、36回分割では支払い切れない、という状況にあるときに、方針選択を誤る可能性があります。

中には原則として一括しか認めない、分割は認めるが頭金を一定額入れなければならない、などとしている業者もあります。

 

また、この債務者については60回分割を認めるが、この債務者については36回しか認めない、ということもあり得ます。

このことも意識しておかないと、方針選択を誤る可能性があります。

中には、一切分割を認めない、1年以内に完済できる条件でしか認めない、というケースもあり得ます。

利用期間が短い場合、ほとんどないし一切支払いをしていない場合、対応が悪質な場合、などのケースで、このようなことを言われることがあります。

 

 

債務整理のご相談の中には、支払督促が届いている、という方が一定数います。

支払督促は、裁判所から届きますが、届いてから2週間以内に異議を申し立てないと、債務名義がとられてしまい、財産を差し押さえられるリスクが生じます。

中には、相談に来られた時点でこの2週間が経過してしまっているようなケースもあります。

2週間経過してから相談に来られた方の多くは、あきらめてはいるが念のため弁護士に相談に来てみた、という方が多い印象です。

ただ、この場合でも、督促異議の申し立てをすることで、まだなんとかなる可能性があります。

 

 

通常、支払督促が届いて2週間が経過すると、仮執行宣言付支払督促の発布がなされます。

仮執行宣言付支払督促により強制執行は可能になるため仮執行宣言付支払督促に対しては、また督促異議の申し立てが可能なのです。

 

仮執行宣言付支払督促により差押え等の強制執行は可能なので、差押えを受けるリスクはありますし、仮執行宣言付支払督促が届いてからさらに2週間経過してしまうと、督促異議の申し立てはできなくなります。

できる限り早急に対応するべきですので、このような書類が届いた際には、急いで弁護士に相談する方が良いと思います。

 

100%弁済

個人再生において、100%弁済となることがあります。

100%弁済とは、債務を全額返済することです。

 

全額返済するのであれば、個人再生手続きをとる必要はないのではないかとの疑問が生じますが、なお、メリットがあるとして100%弁済を選択することがあります。

100%弁済での個人再生を選択するメリットの一つとしては、強制的に長期分割とすることができるということが挙げられます。

100%弁済をする際に、一番最初に選択肢として検討するのは、任意整理ではないかと思います。

任意整理は、必要な資料も少なく、負担も少ない手続きですので、任意整理で解決できるのであれば任意整理を選択するのが良いといえます。

ただ、任意整理は、個別に各社と分割の合意をする手続きであり、強制力がないというデメリットがあります。

 

債権者が分割払いを認めない場合や、高額の頭金を要求するようなケースでは、任意整理ができないことがあるのです。

 

このような場合でも、個人再生であれば、裁判所の認可を得て分割払いとすることができます。

これが100%弁済の個人再生を行うメリットの一つです。

 

他にもメリットがある場合があります。

このような手段もあるということを知っておくと、選択肢が広がってよいと思います。

詳細は債務整理に詳しい弁護士にご相談ください。

 

代表取締役不在の場合の会社の自己破産

会社の代表者が不在のため、会社の破産手続きができず困ってしまっている方が時々います。

そのような場合、準自己破産という手続きが利用できる場合があります。

 

準自己破産は、法人の役員等の申し立てにより行われる当該法人の破産手続きのことです。

本来、会社の自己破産は、会社の代表取締役等の、会社の代表者が申し立てます。

ただ、中には、代表取締役が破産の申し立てを了承しない場合や、そもそも代表取締役が事故等により欠けている場合もあります。

そのような場合に、破産申立ができないということになってしまうと、多数の人に不利益が生じてしまうこともあります。

そのような不都合を避けるために、準自己破産という手続きが設けられています。

 

準自己破産の手続きは、通常の自己破産の手続きとほとんど同じで、効力も同じです。

もちろん手続き上、必要な書類が異なるなどの違いはありますが、その違いは大きくありません。

もし、破産手続きを考えている法人の役員等の地位にあって、代表者不在等により破産の手続きができないことでお困りの方がいましたら、弁護士に相談いただくとよいと思います。

弁護士が、準自己破産手続を利用できるかどうか検討し、利用できる場合には代理人として手続きを進めてくれるはずです。

任意整理

弁護士の仕事の一つに任意整理があります。

 

任意整理は、個別に債権者と交渉し、残債務の返済条件を決めるものです。

各債権者ごとに一定の傾向があるので、それを踏まえて交渉するとよい結果となりやすいと思います。

交渉に際しては、各債権者ごとの傾向と相談者の方の特性を踏まえて対応します。

ただ、各債権者の対応は、その時によって異なりますので、そのときその債権者がどういう方針をとっているかも踏まえて対応します。

それ次第では、そもそも任意整理ではなく破産や個人再生といった法的整理を選択する方が良いこともあります。

 

コロナ禍で、全体的に任意整理を希望されて相談に来られる方が減少した印象でしたが、最近は、やや任意整理希望の方が増えたように感じます。

多くの方の収入が減少し、任意整理が厳しい状況が続いていましたが、最近は収入も戻り、任意整理ができるようになったという見方もできるかもしれません。

もしかしたら、これまでは任意整理の必要がなかった方が、収入の減少や物価高により生活が厳しくなり、任意整理せざるを得なくなったという見方もできるかもしれません。

もし、後者であるとすれば、今後、また任意整理が減少し、破産、個人再生希望の方が増えるかもしれませんし、そもそも、任意整理、破産、個人再生の全てが増加するかもしれません。

モビットと三井住友カードの合併

債務整理を取り扱っている弁護士であれば把握している可能性が高いですが、SМBCモビットと三井住友カードが7月1日付で合併しました。

これにより、モビットは消滅し、三井住友カードだけが会社として存続することになりました。

この合併は、既に昨年に発表されていましたので、債務整理を取り扱っている弁護士の多くは、だいぶ前から把握していると思います。

両社の合併に伴い、モビットの振込先口座名が変更されます。

といっても、頭のカ)が無くなるだけのようですし、しばらくの間は、変更前の口座名での入金も受け付けられるようです。

今のところ、この変更に伴う入金トラブル等は、私の知る限り、生じていないようです。

債務整理の対象会社としてよく名前の挙がる会社ではあるので、入金トラブルが生じると、多くの債務者の方に影響が出るように思います。

 

なお、来年には、SMBCファイナンスサービスも三井住友カードと合併し、消滅します。

こちらも同様に、振込先口座名が変更されるのではないかと思いますので、今回同様、トラブル入金に関するトラブルなく進むとよいと思います。

SМBCの名称がつく会社は、他にSMBCコンシューマーファイナンスもあり、ちょっと多いなと感じていましたので、今回の一連の合併で整理されると名称がわかりやすくなるように思います。

債務者の方にとってはわかりやすい方が安心できてよいです。

 

他にも、今後、合併等により口座名義が変更される会社が生じてくると思いますが、いずれもトラブルなく進むとよいと思います。

給料ファクタリング

先日、給料ファクタリングに関する最高裁の判断が出されていました。

 

最高裁は、給料ファクタリングを貸金業法と出資法が定める貸付けに該当するとしました。

 

そもそもファクタリングは、金融庁によれば、債権買取サービスであり、資金調達の一手段であって、法的には、債権譲渡とされる契約とのことです。

通常は、企業の資金調達の一つの方法として使われるようです。

給与のファクタリングは、個人向けのファクタリングであり、給与債権を買い取って、買い取った債権を基に会社に対して給与の支払を求めるようです。

給与ファクタリングは、金融庁から貸付に該当するとの指摘を受けており、今回の最高裁の判断は金融庁が示した判断を追認するような位置づけになるかと思います。

 

給与ファクタリングは、いわゆる金銭消費貸借のようなシンプルなお金の貸し借りではないので、貸付には該当しないとして貸金業法の適用を受けないとして貸金業者以外でも実施しているところはあったようです。

給与ファクタリングの利用者は一定数存在することを考えれば、給与ファクタリング自体の必要性はあるのだと思います。

適切な形で実施されるようになればよいように思います。

なお、譲渡された債権について、雇用していた会社としては、どこに支払いをするべきか判断が難しいケースがあるかと思います。

支払先を間違えると再度同義務が生じますので、弁護士に相談するなどして慎重に判断する必要があるように思います。

2023年

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

2023年になりました。

まだまだコロナも落ち着かず、不安な日々を過ごされている方も多いかと思います。

今年はコロナが落ち着くなどしてよい年になるように願っていますが、あまり楽観視できる状況ではないように思います。

 

昨年からすでに企業の倒産、個人の法的整理案件は相当に増えてきているように感じられました。

実際事務所で受けている相談の件数も増加傾向にあったようです。

ただ、聞くところによると、今年はさらに増加する見通しだとのことですのでより債務整理の相談は増えるものと思います。

 

世界的にも今年は低調な見通しとなっており、OECDによれば、主要国の経済成長は、マイナスかわずかにプラスとなっており厳しめな見通しとなっています。

日本だけでなく、他の国でも景気は良くない見込みといってよいと思います。

弁護士の仕事としては債務整理が増える見込みであることから、経営が立ち行かなくなる可能性は低いものと思われますが、それ以外の業務は減少するかもしれません。

 

企業倒産が増え不景気になることが見込まれるにもかかわらず、物価はかなり上昇しており、様々な物が値上がりしています。

コロナの収束もなかなか見通せない状況ですし、楽観視はできない状況ですが、なんとか乗り越えていきたいですね。

東京地裁破産再生部の移転

東京地裁の破産再生部が今月移転します。

破産再生部である民事20部は、現時点では霞が関にあります。

霞が関には、地裁・高裁が主に入っている庁舎と簡裁・家裁が主に入っている庁舎があり、そのうち民事20部は簡裁・家裁が主に入っている庁舎に入っています。

そこから、中目黒に新設されたビジネス・コートに移転します。

具体的な移転時期は、10月24日とされています。

申立日によって申し立てる先の庁舎が異なるため、注意が必要です。

 

少し前から任意整理案件よりも破産・再生の案件の相談が増えている印象です。

他の事務所でも同様の傾向が生じているかはわかりませんが、同じような状況であれば全体の申立件数は増えるはずです。

そのため、中目黒への移転は、思ったよりも多くの人に影響を与えるのではないかと思っています。

 

弁護士法人心の東京事務所からだと、裁判所までの距離がやや遠くなるため移動時間が増えそうです。

そのため、若干業務負担が増えそうな印象です。

東京地裁の場合、申立後3日以内に実施される即日面接がありますので、それが現在の電話ではなく対面になるとより負担が増えそうです。

 

ビジネス・コートには商事部や知財部もあり、デジタル化が推進されるようです。

破産・再生事件についてもデジタル化が進むと業務効率がだいぶ上がるような気がしますので、破産・再生事件についてもデジタル化が推進されるとよいなと期待しています。

管財事件と訴訟の受継

破産手続きの申し立てをする際に、すでに訴訟中の債権者がいる場合があります。

そのような場合、破産の申立準備中は、申立代理人弁護士が訴訟について対応するこ

とが想定されます。

実際に、申立代理人として申立準備中に訴訟対応をすることもあります。

 

多くの場合には、破産手続申立を行い、開始決定を受けたうえで、その旨を明らかに

すれば、訴訟は取り下げられて終了することが多いと感じます。

勝訴してもお金の支払いを受けられる可能性がなく、そこに時間や費用や労力をかけ

てもすべて無駄になってしまうからではないかと思います。

 

ただ、配当が発生するようなケースでは、訴訟が取り下げられることなく継続される

ことがあります。

請求されている債権に特に異議がない場合には、それを前提に配当がなされますが、

異議が出された場合には、破産管財人が訴訟を受継します。

ただ、当然に受継されるわけではなく、そのための手続がとられた場合に限られます。

 

管財人が受継した訴訟で請求されていた債権は、判決により請求が認容された場合や

管財人との間で請求を認める内容での和解が成立した場合、その額を前提に按分比例

による配当が行われます。