口外禁止条項

近年は,一般の方が,気軽にインターネット上で情報発信できるようになりました。

これにより,一般の方が発信した情報を多くの方が目にする機会も増えたように感じ

ます。

 

その影響もあってか,近年,紛争解決に際して口外禁止条項を入れることも増えている

ように感じます。

 

口外禁止条項の規定の具体的な記載の仕方はさまざまあり,これでなければならないと

いうものはありません。

例えば,

甲及び乙は,今後,本件並びに本示談の内容等を第三者に口外又は開示しないこととする。

というような記載も可能です。

あえて注意的な規定とするために,具体的な手段を入れることもあります。

例えば,

ブログ,Facebook,Twitter,その他一切のソーシャルメディア等を含むなどという規定を

入れることもあります。

あくまでも注意規定であり,基本的には,一切の口外を禁止するものです。

どのような記載の仕方をしても,最終的な法律効果は通常変わらないようにされていると

思います。

記載の仕方を変えるのは,わかりやすくする,抑止効果を事実上強めるといった理由で

あることが多いのではないかと思います。

 

ただ,記載の仕方によっては,一切の口外を禁止する効果が出るとは限りませんので,

口外禁止条項の利用を考えられている方は,弁護士等の確認を得たほうがよいと思い

ます。

路線価発表

令和元年の路線価が発表されたようです。

 

全国の平均値は,4年連続で上昇しているようです。

東京は6年連続で上昇したようです。

東京は上昇が続くだけでなく,上昇率も高く,4.9%上昇したようです。

 

路線価は,相続税や贈与税の税額計算の際にも用いられます。

路線価が上昇すると,相続税,贈与税の額も上昇するといえます。

まだしばらくはこの傾向は続きそうだと見込まれているようですので,

今後も,相続税の負担は増え続けるものと思われます。

 

相続税の負担が増えるということは,納税のための資金の準備の

必要性も増えるといってよいと思います。

これまでも,遺産の大半が不動産などの現物で構成され,現預金

が少ないケースで納税資金の捻出に苦慮するケースもありましたが,

今後はそういったケースがより増えるのかもしれません。

 

そのような事態を回避するため,生前における相続対策として,納税

資金対策をしておくこともあります。

納税資金対策としては,現預金を十分に準備しておく他に,生命

保険を活用して納税資金を準備するなどの方法があります。

これまでもそのような対応をとることが少なくありませんでしたが,

今後さらにそのような対応をとることが増えるかもしれません。

 

一定以上の資産をお持ちの方にとって,納税資金の確保など

の相続対策は必須といえます。

相続対策においては,法律,税金,保険など,様々な観点

からの検討が必要ですので,複数の専門家の意見を基に

検討したほうがよい場合があります。

相続対策を検討される場合には,弁護士,税理士,保険の

募集人などの専門家の意見をきかれるのがよいと思います。

 東京で相続でお困りの方はこちら

特有財産と不動産

離婚に伴う財産分与において,特有財産の精算が必要となる場合があります。

結婚前の財産がそのままの形で残っている場合にはさほど問題とはなりません

が,不動産の購入資金の一部に宛てた場合など,形を変えてしまっている場合

には,その価値をいくらとするのかが問題となることがあります。

 

例えば,自宅不動産を購入する際に,いずれかの特有財産を購入資金の一部に

宛てていることがあります。

この場合,離婚に伴う財産分与をする際に,特有財産の額が問題となります。

 

住宅購入資金として特有財産から1000万円を拠出している場合に,特有

財産を1000万円と考えるべきではないか,と思っている方もいるかもし

れません。

本来であれば,特有財産から支出せずに,住宅ローンを利用するなどして

特有財産をそのまま残すことも可能であったのだから,特有財産を1000

万円として精算するべきというのも一理あるように感じます。

他方で,住宅の価値は通常期間に応じて減少しており,特有財産の支出額を

全額控除して財産分与を行うのも公平でないように感じます。

 

法律上は,このような場合の財産分与の方法について明確に定めてはいない

ため,最終的には裁判所が妥当と考える財産分与の額,方法が定められます。

個別ケースにもよりますが,おおむね,住宅の購入額に占める特有財産の額

の割合分は特有財産とし,残りの割合分を半分ずつ分けるということが多い

ようです。

 

実際には,特有財産であるかどうかが争いになることも多く,特有財産で

あることの証明ができないために,特有財産であるとの主張が受け入れられ

ないケースも少なくありません。

特有財産の主張を希望する場合には,弁護士に依頼して特有財産であること

の証明ができるようにすることも重要です。

弁護士法人心 池袋駅法律事務所開設

弁護士法人心の10か所目の拠点として,弁護士法人心 池袋駅法律事務所が開設されました。

場所は,池袋駅西部口から徒歩3分のところです。

住所は,東京都豊島区南池袋2-26-4 南池袋平成ビル6Fです。

 

詳細は,弁護士法人心池袋駅法律事務所のホームページにも記載されていますので,ぜひ

ご覧ください。

 

池袋駅は,多くの方がご利用される大きな駅ですので,ご利用いただきやすいかと思います。

JR埼京線,湘南新宿ライン,山手線,東武東上線,西武池袋線,東京メトロ丸の内線,東京

メトロ有楽町線,東京メトロ副都心線が通っており,東京都内はもちろん,埼玉県内からもお

越しいただきやすいかと思います。

 

弁護士法人心では,交通事故,債務整理,相続,遺言など,様々な業務を取り扱っております。

各弁護士は,それぞれ担当分野を有しており,担当分野に集中して取り組むことで,経験,ノウ

ハウの集積を図り,質の高いサービスを提供できるように努めております。

法律問題でお困りの方であれば,いろいろお力になれるかもしれません。

 

東京都内や埼玉県内などにお住まいの方やご勤務されている方で,弁護士への相談をお考え

の方は,ぜひ一度,弁護士法人心 池袋駅法律事務所ご連絡いただければと思います。

ホームページもぜひご覧ください。

 

弁護士法人心 池袋駅法律事務所のサイトをご覧ください。

認知症保険

今日から元号が令和に変わりますね。

 

先日東京で行われた民事信託に関する研究会に参加してきました。

弁護士,司法書士,税理士など,多くの方が参加されていました。

 

現状日本では高齢者社会が進んでおり,それに伴ってか認知症患者もかなり

増えているようです。

2025年には65歳以上の5人に1人は認知症になるといわれているようです。

認知症患者の割合は,非常に多くなるようで,少し心配です。

 

認知症患者が今後増えていく状況を受けてか,いくつかの保険会社から認知症

保険が販売されているようです。

内容は各保険会社ごとに異なるようですが,認知症と診断された場合に保険金

が支払われるようになっているようです。

認知症になってしまうと,後見等を利用しなければ,法的な手続がとれなくなって

しまう可能性があります。

場合によっては,預金が引き出せなくなってしまうなどする可能性もあります。

万が一そうなってしまうと,日々の生活費にすら事欠いてしまう可能性もあります。

いくらかでも保険金が出ると助かるというケースもあると思います。

 

加入を検討してみるのもよいかもしれません。

認知症保険に加入する以外にも,将来の認知症対策として講じておいた方が

よいことは,任意後見契約や信託契約などいろいろあります。

認知症を患ってしまったあとでは講じられなくなる可能性もありますので,速めの

対応をお勧めします。

 

 

新元号発表

4月1日,新しい元号が発表されました。

 

平成の次の元号は「令和」となったようです。

発表されたのは4月1日ですが,実際に使用が開始されるのは,5月1日からのよう

です。

 

弁護士の多くは裁判等の対応もしています。

裁判所は,事件番号など元号を用いていますので,多くの弁護士は,裁判所に提出

する訴状や準備書面などは元号を記載しています。

私も,訴状や準備書面などには元号を記載しています。

今月中に裁判所に提出するものについては,平成で記載をしますが,来月提出する

ものについては,「令和」で記載しなければなりません。

 

また,期限のある事項を定めた和解書などは,これまで,その期限を平成で記載して

いましたが,今後は,その時期に応じて平成と令和を使い分けなければなりません。

誤りの内容に注意をしなければなりませんね。

 

早速,令和で記載しなければならないものが出てきましたので,しっかりと「令和」

と記載しました。

 

事務所内外で使用する書類のひな形,書式も,平成標記のものが多数ありますので,

随時,「令和」表記に変更していかなければなりません。

あまり意識していませんでしたが,どこでどう使用されているかを完全には把握して

いませんので,使用する都度チェックをしなければなりません。

しばらくは,しっかりと注意をしなければなりませんね。

 

各会社,自社内で使用している書式等に平成表記がされているものがないか,修正の

必要性があるか,注意しておくとよいかもしれません。

保釈金

東京拘置所に勾留されていたカルロス・ゴーン氏が保釈されたようです。

保釈保証金は10億円のようです。

 

先日無罪請負人とも呼ばれる弁護士が弁護人に就任してはいましたが,特に

就任前と就任後では状況に変化はなかったように思えてはいましたので,

このタイミングで保釈されるというのは少々驚きもあったようです。

ただ,依頼をする方としては,これまで何度か申請した保釈が通らなかった

にもかかわらず,このタイミングで保釈が認められたことは,これだけでも

新しい弁護士を依頼した価値感じられるのではないかと思います。

 

ちなみに10億円の保釈保証金はかなり高額であり,これを超える額の

保釈保証金を納めなければならなかった事件は極めて少ないようです。

そもそも億単位の額の保釈保証金を納めなければならない事件自体極めて

少ないといえると思います。

 

一般論として,保釈保証金は,少なくとも100万円は覚悟しなければなら

ないし,それよりも高額になることも多いという説明がされることも多い

ようです。

保釈保証金の額が100万円未満となることもあるようですが,感覚としては,

100万円を超える場合がほとんどではないかと思います。

 

保釈が認められたので,何もなければ今後は在宅のまま裁判が続く見込みです。

外国の方からも注目されている事件のようですし,どのような結果になるか,

非常に興味深いものだと思います。

 

 

 

離婚に伴う慰謝料

本日,最高裁判所において,離婚をやむなくされた精神的苦痛に対する慰謝料を

配偶者の不貞相手に対して請求できるかについて判断した判決が出されました。

 

最高裁は,「離婚による婚姻の解消は,本来,当該夫婦の間で決められるべき

事柄である。」とし,「夫婦の一方と不貞行為に及んだ第三者は,これにより

当該夫婦の婚姻関係が破綻して離婚するに至ったとしても,当該夫婦の他方に

対し,不貞行為を理由とする不法行為責任を負うべき場合があることはともか

くとして,直ちに,当該夫婦を離婚させたことを理由とする不法行為責任を負

うことはないと解される。」としました。

 

最高裁の考え方によれば,不貞行為があった場合には,不貞行為を理由とした

慰謝料請求はできますが,離婚したことを理由とする慰謝料請求は必ずしもで

きないこととなります。

 

そのうえで,最高裁は,不貞行為により離婚した場合,不貞相手が不法行為責

任を負うのは,不貞相手が,「当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻

関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめ

たものと評価すべき特段の事情があるときに限られるというべきである。」と

し,

「夫婦の一方は,他方と不貞行為に及んだ第三者に対して,上記特段の事情が

ない限り,離婚に伴う慰謝料を請求することはできないものと解するのが相当」

としています。

 

最高裁の考え方を前提によれば,離婚に伴う慰謝料が認められるケースはかな

り限定的なものになるように感じます。

 

通常は,不貞行為に対する慰謝料を請求するため,今回の件と同様の点が問題

となるケースはそれほど多くはないのではないかと思いますが,一定数は同じ

点が問題となることはあると思われます。

その場合には,今後,「特段の事情」の有無が問題になると思われます。

この「特段の事情」が今後の裁判でどのように認定されるかにより,どの程度

離婚に伴う慰謝料の認定可能性があるのかが変わりますので,弁護士としては

気になるところだと思います。

 

離婚に関する弁護士法人心東京駅法律事務所のサイトはこちら

あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会

厚生労働省では,昨年,あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師及び柔道整復師等の

広告に関し,検討会を開催していました。

厚生労働省のホームページ上では,これまでの検討会の議事録などが公表されています。

直近では,平成30年11月22日に開催された検討会の議事録等が公表されていました。

東京都千代田区霞が関にある,中央合同庁舎で開催されているようです。

 

論点としては,施術所の名称,施術日等の表示,医療保険療養費支給申請の表示,

適応症の表示,料金の表示,開設者・施術者の氏名,年齢,性別,役職等,専門性,

インターネット上のホームページ等であったようです。

詳細は割愛しますが,いろいろな意見が交わされているようです。

ただ,時間は足りないようで,すべての論点に十分な議論ができたわけではないようです。

 

これを受けてか,厚生労働省では,広告規制を見直し,指針を作成するようです。

平成31年に指針が施行,周知され,平成32年から取り締まりが強化される可能性が

あるようです。

どのような指針が作成されるか,それを踏まえて取り締まりがどのように運用されるか,

関係者は注目だと思います。

それ次第で,また,弁護士にもいろいろな相談がくるかもしれません。

講演

今日は,株式会社船井総合研究所の相続・遺言業務研究会の総会に

参加しました。

 

相続・遺言業務研究会には,多数の弁護士が参加して,相続・遺言業務に

ついての研修,勉強を行っています。

本日,相続・遺言業務研究会に参加している弁護士相互の投票によって,

2018年のMVPに弁護士法人心を選んでいただきました。

たくさん勉強させていただき,そこで得た情報をもとにこれまで取り組んできた

ことを大きく評価していただいたものと思います。

 

また,MVPに選ばれたということで,私が30分程度お時間をいただき,

弁護士法人心の相続・遺言への取り組みやその成果についてお話

させていただきました。

 

大変光栄です。

 

弁護士の仕事の中でも,相続・遺言の分野は,対応が難しい点が多い

ように感じます。

特に,たくさんの方が利害関係を有しますので,その間の利益調整や

感情の調整が必要となり,一筋縄ではいかないことが多いと思います。

 

弁護士事務所には,まだ相続・遺言に注力しているところが少なく,

本来必要なはずのリーガルサポートが十分に行き届いていないように

感じます。

これから,高齢化社会が進むにつれて,弁護士の助けを必要とする

方はますます増えると思います。

相続・遺言の分野に弁護士が注力して多くの方を助けられるようにする

ことは,弁護士事務所が取り組むべきことの一つだと思います。

 

今後,事務所として,ますます相続・遺言に注力し,より多くの方に

必要なリーガルサポートを提供したいと思います。